ワールドメイトの「3千年の神仕組」「3千年に一度の大神人」
ワールドメイトの実情と正反対の印象を与えるNさんの記述
「ワールドメイト陳述書」①および②では、Nさんの陳述書が「3千年の神仕組」について誤った解釈をしていると論破しました。これに対して、ふたたびNさんは、自身の考えを述べたのですが、またもや論点のズレを指摘されます。
==========以下、引用==========
Nさんの陳述書の20頁以降は、『3千年の神仕組』『3千年に一度の大神人』の語句を誤用、もしくは悪用していることについて、長大な紙幅を費やして、当教団の見解に反論しようとしています。
しかしながら、その中には、明らかな誤りが見られるばかりか、依然として断章取義に終始しており、私が前回、前々回に提出した陳述書で展開した、論理構成の基本的枠組みを全く論破していないのが実態です。
(ワールドメイト陳述書③ 10頁)
Nさんは、「断章取義なる的外れな反論を招くことのないよう、周到に立論したため通常考えられないほど長編になってしまいました」(62頁18行目〜20行目)と述べていますが、単純に引用部分を長くすれば「断章取義」を免れるものではありません。
およそ宗教的な教学体系というものは、大前提になる価値体系や、神話的系譜があり、その上で個別の教えや、ケーススタディ、神話的ドラマツルギーを形成する、様々なエピソードなどが発生してくるものです。これらを極力単純化する宗教もありますが、独自の宗教的パラダイムを打ち出す宗教の中には、その表現が多彩なことも多く、含蓄に満ちていたり、反語的表現やドラマ性に富んだ表現を含んでいたりするものです。
であるからこそ、私は先に提出した陳述書において、当教団において未来予言が出される大前提たる、「3千年の神仕組」という概念について詳述したのです。すべての予言やご神意の解釈は、ここから生じており、それらはこの根本的概念との関連性において捉えられるべきものだからです。
(同上)
==========引用終わり==========
Nさんの陳述書を読んでの私の感想ですが、Nさんの立場は全般的な宗教否定です。その論理を用いれば、あらゆる宗教が荒唐無稽な「金儲け」になります。議論が一方向に流れる原因は、そのあたりにあるのでしょう。
Nさんの陳述書は、ワールドメイトの教義や深見先生が日頃おっしゃっていることにはふれず、あるいはねじ曲げて解釈し、一方的に「カルト」「マインドコントロール」「事実隠蔽」などというセンセーショナルな単語を使用しているという特徴があると思います。
そのため、Nさんの陳述書は、ワールドメイトの実状とは正反対であるかのような印象を与える記述となっているのです。
ワールドメイトの、「未来はきっとすばらしくなる」という信仰
そして、もう一度、ワールドメイト側は「3千年の神仕組」の定義を述べます。長くなりますが、これを理解しないと、議論になりません。
==========以下、引用==========
では、当教団の未来予言の根本概念を形成する「3千年の神仕組」とは、どういうものでしょうか?それは、「世の終わりは来ない」、「未来はきっとすばらしくなる」という信仰に他なりません。この点においてこそ、当教団の教理は、終末思想的な教えを広める他の教団と一線を画するばかりか、既存の宗教に対する、一大アンチテーゼとなっているのです。先に提出した私の陳述書には、次のように記述しました。
「Nさんが言うように、確かに当教団では、「3千年の神仕組」が重要なキーワードとして言われています。ところが、このNさんも認める当教団の重要思想「3千年の神仕組」とは、終末思想などとは全く対極的な思想です。
「3千年の神仕組」とは、わかり易く言えば「3千年前からの神のご計画」という意味です。それは当教団では、「神様が、21世紀の中盤頃までに、世界のすべての国々を連邦制によるゆるやかな一つの政体にまとめ、戦乱のない世の中にして行こうと計画されている」ものだと説明しています。
一読してお分かりの通り、これは終末思想・終末論とはまったく反対の思想です。キリスト教的な「最後の審判」や「世の終わり」は来ない、というのが当教団のスタンスなのです。」
(ワールドメイト側陳述書①)
「なお当教団では、人類は累積する問題を解決し、やがて理想郷のような世界を建設する、と断言しています。当教団の全ての活動は、御祭りや神事によって神々の力をより強力に発揮して頂き、争いを未然の内に防ぎ、人類の積んだ刧を、無形のうちに弭化(形が出る前に、その無形の刧をなくすこと)して、人々を救済し、いろいろな方法で人々が幸せになるよう、祈りや活動を行なうものです。
いわゆる「終末思想的」な、「世の終わり」や「最後の審判」などを謳う教団とは一線を画するばかりか、正反対のところにいるのが当教団なのです。人類滅亡や世の終わりなどという「終末思想」に対する、一大アンチテーゼにこそ、当教団の宗教史的な存在価値があるといっても過言ではありません。現世における人々の幸せと、人類の輝かしい未来をひたすらに肯定しているのが当教団なのです」
(同上)
未来に関するすべての予言や教えは、この大前提に従って出されたものであり、個々の事象やドラマ性は、全体を構成する壮大な神話的体系の中でとらえられるものなのです。
(ワールドメイト陳述書③ 10~11頁)
==========引用終わり==========
何度読んでも素晴らしい文章です。一点の曇りも迷いもなく、人類が素晴らしい未来を迎えることを信じているのです。だからこそ、私たちは、どんな困難があっても明るく乗り越え、祈り続けようと思います。
人々の幸福を願う祈りの結集を呼びかけるのがワールドメイト
そして、ここにワールドメイトの活動の意義が凝縮されているのです。
==========以下、引用==========
その意味で、Nさんが取り上げた個々の予言については、その外形的な印象をとやかくいうよりも、それがどのように「3千年の神仕組」という基本概念を覆す、あるいは矛盾するものであるかを立証しない限り、意味はないといえるでしょう。
当然の話ですが、「ハルマゲドン」「戦争」「地震」「日本沈没」といった禍々しいことが起こる可能性は、いかなる時代であれゼロたりえません。それを祈りによって回避し、日本国民や世界人類を幸せにすることができる、と主張しているのが当教団なのです。
後述しますが、そのために金銭が必要だと言ったことは一度もありません。ただ、国家の繁栄や世界平和、人々の幸福を願う祈りの結集を呼びかけるものです。
(ワールドメイト陳述書③ 11頁)
==========引用終わり==========